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法定相続情報一覧図を作るメリット

  • 文責:所長 弁護士 石田俊太郎
  • 最終更新日:2025年9月29日

1 法定相続情報一覧図とは

相続関係を一覧にして表した図(本来の法定相続情報一覧図)を法務局に持ち込んで、戸籍謄本等から、その一覧図の内容等の真正を確認したもらったうえで、法務局から認証文を付した写しが、いわゆる「相続情報一覧図」と言われるものです。

決して、法務局で一覧図を作成してもらえるわけではなく、まずは自身で相続関係一覧図を作成する必要がある点には注意が必要です。

なお法務局のホームページの「法定相続情報証明制度」においては、「法定相続情報一覧図の写しは、戸除籍謄本等の束の代わりに相続登記にご利用いただくことができるため、本制度を利用すれば、複数の法務局に戸除籍謄本等の束を出す必要がなくなります。」と説明されています。

参考リンク:法務局・「法定相続情報証明制度」について

2 法定相続情報一覧図を作るメリット

法定相続情報一覧図を作るメリットは、端的に言うと以下の通りです。

法務局での相続登記手続きが円滑に進みます。

金融機関での相続手続きが円滑に進むことが多いです。

3 法務局での相続登記手続き

遺産に不動産がある場合、その不動産の相続手続きにおいて、法定相続情報一覧図が利用できることは言うまでもありません。

この一覧図の写しを複数枚作成しておけば、複数の登記手続きを並行して行うことができ、いちいち戸除籍謄本等の束を各法務局に持ち込むことが必要ないので、手続きにかかる時間を短縮できるということになります。

ただ法定相続情報一覧図の写し(認証文付)の作成に法務局で相応の時間を取られる場合、「結局、これだけ時間がかかるなら、その後、時間短縮ができても同じことではないか」という批判もあります。

確かにそうかもしれませんが、この一覧図写しの最大のメリットは、「複数の不動産が異なる法務局の管轄にあるなど、法務局での複数の手続きを必要とし、かつ相応の相続財産を対象とする相続手続き」に大きな恩恵をもたらすことです。

そこで一覧図作成を検討する際、後出の金融機関での利用も含めて、自身の扱う相続手続きが、一覧図作成のメリットを享受できる相続手続きかどうかを事前に検討する必要はあります。

なお、戸籍謄本等の束を持ち込んだ方が良いと思われる場合は以下のようなケースです。

例えば登記手続きが1件のみ、かつ訪問すべき金融機関の数が数社で、かつ本拠地から金融機関までの移動距離もそれほどない場合が考えられます。

法務局や金融機関に戸籍謄本等の束を持ち込んで、その場で『原本還付』(原本を返してもらう)をお願いできれば、その日のうちに、残りの金融機関を訪問することができるかもしれません。

そういう行動が可能ならば、時間は大幅に短縮できます。

4 金融機関での相続手続き

前出のメリットを享受しうる相続手続きとして、金融機関に対する相続手続きが想定できます。

法務局の認証文の入った法定相続情報一覧図なので、その内容の真正(正しさ)についての信用性は高いと考えられます。

とすれば、「金融機関での相続手続きが円滑に進むことが多いとしているのはなぜでしょうか。

実は、一覧図が出初めのころ、『法定相続情報一覧図だけではだめで、併せて戸除籍謄本等(の束)を提出されたい』という、明らかに一覧図の信用性に疑義を呈した金融機関も相当数存在していたからです。

しかし最近になって、法定相続情報証明制度の内容が世間に浸透してきたのか、その信用性に疑義を呈する金融機関も減ってきた模様です。

ただ、その内容の浸透度合いや、一覧表写しに対する信用性も、日本全国規模でみると良くわからないところもありますので、法定相続情報一覧図のみで相続手続き可能かどうかは、あらかじめ、相続手続きを行う金融機関ごとに確認をしておくのが無難と思われます。

以上が「ことが多い」とした理由です。

5 状況に応じて作成するのがよい

以上から、法務局で、法定相続情報一覧図に認証文を入れた写しを作成して使用することは、相続手続きの迅速化に資するものの、相続財産の規模等によっては、むしろ作成せずに手続きを進めた方が早い場合もあります。

以上の事情を踏まえて、一覧表写し作成を検討するのが最良と考えられます。

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